H1

丸の内キッズジャンボリースペシャル版に出展

コンテンツ
日本のモノづくりの“ワザとこころ”を子どもたちに伝える取組み
「ホップ!ステップ!! 2020!!! 丸の内キッズジャンボリースペシャル版」に出展しました

「ワザ伝! 日本のモノづくりを学ぼう!」

〔広報誌2019年10月号掲載〕

「中小企業のモノづくりの技の素晴らしさ、仕事のおもしろさを子どもたちに伝えたい」という思いを込めて、あんしん財団が立ち上げた“ワザ伝”プロジェクト。
放課後NPOアフタースクールと協力し、8月13日~15日にかけて東京国際フォーラムにて開催された「ホップ! ステップ!! 2020!!! 丸の内キッズジャンボリースペシャル版」に「ワザ伝! 日本のモノづくりを学ぼう!」と題したプログラムを出展しました。今回行った3つのワークショップをご紹介します。


「ワザ伝」初登場の「豊橋筆」づくり つくる+書く楽しさも紹介!

 愛知県豊橋市の川合毛筆・株式会社杉浦製筆所の皆さんが教えてくれたのは、全国の書家・画家に愛されている「豊橋筆」について。まず最初に、墨に馴染みやすく、滑るような書き心地を実現するために、どんな素材を使うのか、どうやってつくっているのかを、子どもたちにクイズを交えながら伝えました。一つひとつの作業に独特な工夫と“ワザ”があり、子どもたちは感動した様子でした。
 クイズの後、全36工程あるという豊橋筆づくりから、「練りまぜ」「仕上げ」の工程を子どもたちは体験しました。「練りまぜ」は、いろいろな毛を均等にまぜるため、水を使ってまぜ合わせる、豊橋筆で最も特徴的な工程。ほんの一部を体験した子どもたちからは「見ているのと違って、やってみると難しい」という言葉が。
 最後は、職人が実際につくった筆を使い葉書に好きな言葉を書きました。「すごく、書きやすい!」と“ 本物”に触れ、子どもたちはその書き心地にビックリしていたようです。「夢」「筆」「令和」など、背筋を伸ばして書く字もどこか、達筆に見えます。「 筆がどうやってつくられるのか。ワークショップを通じて、その部分を知ってもらえてうれしかった」と講師陣も笑顔を見せてくれました。



種類の異なる毛を何度も折りたたんでまぜていく「練りまぜ」の作業。
子どもたちは整える工程を体験しました。この日はヤギとウマの毛を使用。


海藻でつくられたふのりを筆先の芯までたっぷり吸わせる作業を説明する、講師の中西氏。








筆先をキレイにするために“ふのり”を付けて筆先を整える「仕上げ」。手と口を器用に使う必要があり「筆の先っぽまでふのりを取るのが、難しかったけど、楽しかったです」という子どもが多数いました。















将軍も愛した「駿河竹千筋細工」で盛りかご・虫かごづくり!


 竹でつくった特徴的な“丸ひご”を使ってつくる「駿河竹千筋細工」を教えてくれたのは、静岡竹工芸協同組合の杉山氏。その歴史を勉強した後は細く整えた竹を丸い穴に入れ、すっと引く“丸ひごづくり”、熱したコテを使っての“曲げ”の工程を体験しました。さらに、午前の部では、盛りかご、午後の部では虫かごづくりに挑戦。細いひごの扱いはなかなかの難易度で、それを鮮やかにつくってしまう職人さんに驚きの声が。「細かい作業で熱中した!」と完成した時には、各所で子どもたちの笑顔が広がりました。




「細い竹なのに折れないかな?」と心配そうな子どもたち。
見事にひごを曲げる職人技に感心している様子。









手づくりの音色が夏の思い出に「江戸風鈴」の絵付け体験

 

 日本の夏の風物詩である風鈴ですが、子どもたちの中には「初めて見た」という子もいた様子。講師の篠原氏は、修業に10年以上もかかるというモノづくりの難しさだけでなく、気持ちを込めてモノをつくることの大切さを教えてくれました。自分の風鈴に思いや意味を込めて、真剣に絵を描いていく子どもたち。自分で絵付けした風鈴の音色は、何度聞いても飽きないようで、うれしそうにうちわで扇いでは耳を澄ませていました。




「気持ちを込めて描くと、その気持ちが音色となって響き渡ります」。
篠原氏の言葉を受け、子どもたちの絵を描く顔も、いっそう真剣な表情に。




絵は内側に描くので、「丁寧に描くことが大事」と篠原氏。