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「熱中症対策講座」を開催

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熱中症は予防できる!

「熱中症対策講座」を開催。夏本番に、心がけるべき対策とは?

〔広報誌2019年8月号掲載〕



6月21日に東京・秋葉原、27日に名古屋で「熱中症対策講座」を開催しました。
産業医科大学教授の堀江正知氏、(一社)環境情報科学センターの石丸泰氏から、特に作業現場で働く人に向けた熱中症対策について、ご紹介いただきました。


第1部講演 「職場における熱中症対策」「誰がなってもおかしくない」を前提に

 昨年の夏、日本では気温35度以上の猛暑日が続き、中には40度を超える日もありました。熱中症で倒れる人も増加しており、対策は急務といえます。
 「熱中症には4つの症状があります。めまいや頭痛を起こす『熱失神』、けいれんを起こす『熱けいれん』、夏バテのような食欲低下や倦怠感が起こる『熱疲労』、体温上昇に伴う臓器不全『熱射病』。いずれも脱水状態による体への影響です」。さらに人間の核心温(体の内側の体温)は42度が限界といわれており、それ以上になると「内臓や脳のタンパク質がゆでたまごのように固まって、戻ることはない」と堀江氏は注意を呼びかけます。
 ただし、「気温が高くなくても熱中症になったり、また若く元気な人であっても亡くなってしまうケースがある」ということも注意が必要です。高齢者の熱中症は依然多いですが、本講座では、30.4度の環境で作業をしていた18歳男性、27.5度の環境で作業をしていた24歳男性が熱中症で倒れ亡くなった事例が紹介されました。
 「誰がなっても不思議はなく、早期発見をして重症化を防ぐのは難しい。すべての人が予防を徹底するのが最大の対策」と堀江氏。具体的な対策については……?
 「すぐに変えやすいのは、作業時間でしょう。時間を区切りこまめな休憩をとることです。また、朝食を食べたか、二日酔いはないかを聞くようにする。そして管理監督者は、一人ひとりが正直に体調を申告できるような雰囲気づくりに心配りをしてほしいですね」



第1部講師 堀江 正知氏

産業医科大学 産業生態科学研究所産業保健管理学研究室 教授。
【資格】修士(公衆衛生学)、博士(医学)、日本内科学会認定内科医、日本産業衛生学会専門医・指導医、労働衛生コンサルタント(保健衛生)。


第2部講演 「この夏の暑さ対策」対策は増やすほど効果が上がる

 熱中症対策を考える時、気温よりも“体感”が重要だと、石丸氏はいいます。
 「人は『うえ・よこ・まんなか・した』から、それぞれ暑さを感じますが、特にうえ(日射)の対策が大切です。まずは『日除けをつくる』こと。遮熱性の高い素材が理想ですが、なければ白いものを選ぶと、赤外線を反射して体感温度の低下が期待できます。そこに送風ファンやミストなどを組み合わせるのが、暑さ対策として効果的でしょう。対策は多いほど効果が上がります」



第2部講師 石丸 泰氏

(一社)環境情報科学センター 
調査研究室 室長 技術士(環境部門)。



熱中症対策のポイントその1

熱中症になりやすい条件を知り事前に対策を立てること
当日の気温だけでなく、湿度と日射、輻射熱( 地面や建物などから出る熱)などを考慮した「暑さ指数(WBGT 値)」をチェックしましょう。作業環境やスケジュールが高負荷になっていないか見直し、通風・冷房設備の設置などで暑さを低減する方法を取り入れてください。



暑さ指数(WBGT 値)は、環境省の「熱中症予防情報サイト」で2日先まで発表されています。
当日までに暑さに慣れる対策を行ったり、作業時間の短縮を検討するなど、参考にしましょう。



ミストを送る可動式の扇風機なども、現場の暑さを和らげる対策として導入されています。

 
熱中症対策のポイントその2

服の中にも通風を


衣類選びも熱中症対策では重要です。近年は、服の中に風を送ることができる「電動ファン内蔵上着(空調服)」が注目されています。試着コーナー(東京)を設けたところ、参加者の方々に大人気となっていました。