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日本の中小企業経営者の心と体、働き方vol.10

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AMAROK 日仏調査結果から探る

日本の中小企業経営者の心と体、働き方vol.10


日本とフランスの中小企業経営者の違いとそれぞれのリスク

文化や経済で共通点の多い日本とフランス。しかし、中小企業経営者の健康状態まで同じというわけではありません。調査結果の分析で見えてきた“ 違い”から、それぞれの中小企業経営者が抱えるリスクを考えてみましょう。



解説:亀井克之氏

AMAROK JAPAN 事務局長、関西大学社会安全学部 教授。日本リスクマネジメント学会副理事長、日仏経営学会常任理事など兼務。専門は経営学をベースとしたリスクマネジメント。











健康状態からそこにひそむリスクや原因を考える


 4月号では、「AMAROK 経営者健康あんしんアクションプロジェクト」がなぜ日本とフランスで比較したのかをご説明しました。両国は長い歴史の中で互いの文化を尊重しあい、影響を与えあってきたうえ、中小企業が経済を支えている実情など 『図1』 、共通点も多いからです。
 では、この両国の中小企業経営者にはどのような相違点があるでしょうか。 『表1』 と右ページは、本調査の一部結果と、私の専門分野であるリスクマネジメント論に基づく分析をまとめたものです。
 分析の結果、経営者の健康(ストレス、体調、メンタルヘルス)には、「孤立感」や「昼食」、「睡眠」などが、両国に共通して大きな影響を与えていることがわかりました。異なるのは、日本は「仕事の充足感」、フランスは「労働時間」が健康状態に影響を与えているという点です。
 特に「仕事の充足感」が少ない日本人経営者のほうがストレスも少ないという結果は興味深いです。これは充足感がストレスの原因になっているというわけではありません。むしろ、ストレスが多いのにもかかわらず充足感をより多く感じているフランス人経営者は、日本人よりもストレス耐性が高いのだと考えることができます。
 このように、共通するものの中から違いを見いだし、分析することで、それぞれが抱えるリスクが見えてきます。



『図1』日本とフランスの中小企業の割合(企業数)


日本の中小企業の定義は、製造業その他:従業員数300人以下または資本金3億円以下/卸売業:100人以下または1億円以下/サービス業:100人以下または5,000万円以下/小売業:50人以下または5,000万円以下の企業。
フランスの中小企業の定義は、従業員数250人未満かつ売上5,000万ユーロ未満の企業。



『表1』AMAROK日仏調査(質問票1~2)の分析まとめ〈総論〉

多くの項目が共通している中、
「仕事の充足感」「労働時間」で違いが見られた。




AMAROK日仏調査(質問票1~2)の分析まとめ〈各論〉


 調査結果の分析でわかった、日本とフランスの中小企業経営者の相違点です。「労働時間」や「肥満度」などの基本項目に加え、近年関心が高まっている「燃え尽き症候群(バーンアウト)」などが含まれています。各項目を参考に、自分がどのようなリスクを抱えているのか考えてみましょう。




※質問ごとに1~5のレベル別回答(例:1.最高、2.とてもよい、3.よい、4.まあまあ、5.悪い)を設け、その平均値を算出。