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〔広報誌2024年1月号掲載〕

「ありがとう」感謝の心を、未来へつなぐ。
第10回こども作文コンクール表彰式を開催しました


全受賞作品はこちらから閲覧できます

「第10回こども作文コンクール」受賞作品



コンクール概要

募集テーマ
①身近なはたらく人へ、ありがとう
②あこがれの仕事、かなえたい夢

応募資格
小学校1年生〜6年生
(小学1~2年生の部、小学3~4年生の部、小学5~6年生の部の3部門に分けて審査)

作品受付期間
2023年7月1日〜9月15日

応募総数
2万1,628点

主催:読売新聞社 共催:一般財団法人あんしん財団 後援:文部科学省




2023年11月4日(土)、明治記念館(東京都)にて『第10回こども作文コンクール「ありがとう」感謝の心を、未来へつなぐ。』(主催:読売新聞社、共催:あんしん財団、後援:文部科学省)の表彰式を開催しました。表彰式では棋士の藤井聡太竜王・名人からのお祝いビデオメッセージが上映されたほか、受賞者を対象としたワークショップも同日に開催しました。





受賞者と選考委員で記念撮影。



2万1,628点の応募作品から25作品を選出

2023年で第10回を迎える本コンクールは、子どもたちが作文を書くことで「働く人を応援するとともに、しっかりとした職業観や勤労意欲を持った大人になってほしい」という願いのもと、小学生を対象に2014年から毎年実施しています。
今年も全国から2万点を超える応募をいただき、小学1~2年生の部、3~4年生の部、5~6年生の部の3部門に分け、厳正な審査のもと、大賞・優秀賞・読売新聞社賞・あんしん財団賞・選考委員特別賞・佳作の全25作品を選出しました。受賞作品には、日々の生活の中で気付いた、家族や身近な働く人への感謝やあこがれの気持ち、日々の興味関心から抱いた将来への夢などが子どもたちのみずみずしい感性で書かれ、どの作品からも、心からの感謝の気持ちや未来への希望が感じられました。







受賞者とご家族約80名が参加

表彰式は全国から受賞者とそのご家族約80名をお迎えして開催されました。緊張した面持ちの受賞者を前に、当法人の山岡徹朗理事長は祝辞で「作品には家族の方、身近な方へ感謝の気持ちがあふれるとともに、その仕事についても詳しく書かれていて、感心しました」と笑顔で受賞者を称えました。受賞者は一人ひとり壇上に上がり、各賞のプレゼンターから賞状と副賞を授与されると、誇らしげな表情を浮かべていました。
表彰式の最後には受賞者へのサプライズ演出として、棋士の藤井聡太竜王・名人からのビデオメッセージが上映され、受賞者へお祝いの言葉と夢へのエールが贈られました。





祝辞を述べる山岡理事長。




あんしん財団賞の受賞者とプレゼンターを務めた山岡理事長。




大賞受賞者へ表彰状を授与する、主催の読売新聞東京本社・是枝イノベーション本部長。




藤井聡太竜王・名人から寄せられたお祝いのビデオメッセージが会場に流れました。









選考委員から受賞者へのコメント

椰月 美智子氏

小説家。2002年『十二歳』でデビュー。2007年『しずかな日々』で野間児童文芸賞、2008年坪田譲治文学賞、2020年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で小学館児童出版文化賞を受賞。主な著書に『14歳の水平線』『明日の食卓』(映画化)『こんぱるいろ、彼方』など。

私はお話を書くことが好きで小説家になりましたが、自分の経験、揺れ動く感情、空想したことなどを書いていると、心がスーッと軽くなります。文字を書くことで、心の中でモヤモヤしていたことが、いいものに変わっていくのだと思います。書く時に、まず大事なのは、書き上げること。それは、作文も同じですね。皆さんも続きがなかなか書けずに悩むことがあると思いますが、そこを乗り越えると、新しい発見や喜びがあります。ぜひ、自分の気持ちを書き続けてください。

木佐 彩子氏

フリーアナウンサー。青山学院大学卒業。1994年フジテレビに入社。「FNNスーパーニュース」「めざましテレビ」など多数の番組を担当。2000年当時ヤクルトスワローズ所属・石井一久氏と結婚、翌年男子を出産。2006年より本格的にフリーアナウンサーとして復帰、現在に至る。

人間の心の中には、アンテナのようなものがあるのではないかと思っています。皆さんの作文を読んで、素晴らしいアンテナを持っていると、うらやましく感じました。私はテレビ局でアナウンサーをしていた時、自信がない仕事でも、勇気を出してやってみることにしていました。なぜなら、やった後には少しだけ、自分が成長したと思えるからで す。同じ経験をしても、アンテナによって受け取り方は違ってきます。これからも唯一無二のアンテナで、いろいろな経験を作文にしてみてください。




大賞受賞者のコメント

小学1~2年生の部で「大きなおにぎり」という作品で大賞を受賞した児玉唯(こだまゆい)さんは、「お父さんへの気持ちを書けてよかった」と、おにぎりをつくってくれたお父さんへの感謝の気持ちを話してくれました。
小学3~4年生の部で大賞を受賞した藤田心葉(ふじたこは)さんは、「『、』や『。』を書き忘れて、何度も書き直して手が痛くなった。でも、大賞をもらってすごくうれしかった」と大変ながらもやり遂げた喜びを語ってくれました。
小学5~6年生の部で大賞を受賞した川久保玲音(かわくぼれおん)さんは、「いつも登下校の付き添いをしてくれるおばあちゃんへの感謝の気持ちがうまく書けているかどうか悩んだ。大賞と聞いて信じられなかった」と、家族の笑顔に囲まれながら感想を語ってくれました。

思い出に残る会場を演出

会場には、全受賞作品をパネルで展示。受賞者やご家族の皆さんは、改めて自分の作品やほかの受賞作品を読んだり、フォトスポットで賞状を手に笑顔で記念撮影をしたり、和やかな雰囲気の中、思い思いの時間を過ごしました。



  









自分の作品の前で撮影する受賞者。




ワークショップにちなんだ将棋の対局会場風フォトスポットも設置。






バルーンのフォトスポットで撮影する受賞者。




選考委員の木佐彩子氏と撮影する受賞者。




あこがれの小説家である選考委員の椰月美智子氏に手紙を渡し、感激の表情の受賞者。




表彰式でこれまで実施したワークショップ作品も展示。



あんしん財団から受賞者へのプレゼント/表彰式と同日開催!

中小企業のワザを次世代へ伝えるワークショップを開催

天童将棋駒で自分だけの駒をつくろう!




「天童将棋駒」とは?

将棋駒の生産量日本一を誇る山形県天童市の伝統的工芸品「天童将棋駒」は、ツゲなどの木で木地をつくり、漆で文字を入れるのが特徴。文字を漆で盛り上げてつくる最高級品の「盛上げ駒」は、プロ棋士のタイトル戦でも使われる。




会場にはワークショップ講師の作品も展示されました。



駒に筆で文字を書く体験!
世界に一つの天童将棋駒づくり

あんしん財団では社会貢献活動の一環として、中小企業の技を子どもたちに伝える「“ワザ伝”プロジェクト」を実施しています。今回は表彰式後、受賞者を対象に、日本の伝統的工芸品の一つである「天童将棋駒」のワークショップを開催しました。
将棋駒にはいろいろなつくり方がありますが、今回子どもたちが体験したのは、駒に直接文字を書く「書き駒」です。子どもたちが制作しやすいように、まずは水性ペンで下書きをして、その上から筆と合成漆を使って文字を書きます。最初に講師にお手本を見せてもらい、スタート。実際に使う将棋駒より大きい駒に、好きな文字を1文字か2文字、バランスよく書いていきます。自分の名前を書く受賞者が多く、講師にアドバイスをもらいながら、慎重に筆を使っていました。
作品完成後、受賞者を代表して岡本篤典(おかもとあつのり)さん(6年生)が「将棋をやっているので、駒がつくれてうれしかった。筆で文字を書くのは難しかった」と感想を話してくれました。




「二度塗りをしてもいい」という講師のアドバイスに従い、丁寧に文字を書いていきます。





書きたい文字が決まったら、紙に鉛筆で試し書きをします。




バランスを考えながら水性ペンで駒に下書きをする受賞者。




筆を使い合成漆で文字を書いていきます。




駒の形に合わせて上手に文字を書いた作品を手に。




講師の坂本氏の手元を真剣に見つめる受賞者。






講師コメント




坂本ヨシ江氏(写真左)
まずは、天童の将棋の駒はこんなふうにつくられているのだ、ということを知ってもらえたのがよかったです。いまは自分で物をつくるという経験が減ってきていますが、自分でつくった物には自然と愛着がわきます。今回の体験で、物を大切にする気持ちを持ってほしいと思っています。

庄司麻由美氏(写真右)
全国からたくさんの子どもたちが集まって、天童の駒を一緒につくってくれて、楽しい時間を過ごせました。小さい子どもが筆を使うのは難しいですが、皆、思っていたよりも筆を使うのが上手だったことに驚きました。自分でつくった駒は思い出の品として、大事にしてもらえたらうれしいです。




受賞者への記念品として駒も飾れるオリジナルの台座と、職人さん手づくりの駒のストラップをプレゼントしました。


ワークショップ協力:山形県将棋駒協同組合