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日本の中小企業経営者の心と体、働き方vol.15

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日本の中小企業経営者の心と体、働き方vol.15


1年間、この連載をお読みいただいた皆さまからのご質問にお答えします
~Q&A後編~

広報誌『あんしんLife』8月号で読者の皆さまにアンケートのご協力をお願いしました。ご回答いただきました皆さまに厚くお礼申し上げます。
前回に引き続き、アンケートで寄せられたご質問に対する、AMAROK JAPAN事務局長の亀井克之氏のアンサーをご紹介します。



亀井克之氏(写真左)
AMAROK JAPAN 事務局長、関西大学社会安全学部教授。日本リスクマネジメント学会副理事長など兼務。経営学をベースとしたリスクマネジメントを専門とする。

尾久裕紀氏(写真右)
AMAROK JAPAN代表、大妻女子大学人間関係学部教授。日本リスクマネジメント学会理事など兼務。臨床心理学を専門とし、企業の産業医、精神科コンサルタントなども務める。





フランスはこの10年で所得が増えていると聞いたことがあります。
それだけ仕事があるということで、「仕事があれば健康になるだろう」と思ってしまいます。

これまでのAMAROK JAPANの活動や連載記事を通して伝えてきたのは、「健康こそ最大の資産である」ということです。たしかに、「収入があってこそ健康に気を使える」という意見はごもっともですし、現実的にお金がなければ企業経営は立ち行きません。しかし、その企業経営の基盤となるのは、経営者自身の健康そのものではないでしょうか。
中小企業経営者の皆さまは、「自身の健康は、企業の最大の資産」であることを、いま一度再確認してみてください。


事業承継について「早くなんとかしなくては」と気がかりです。
いつから、何から始めるべきでしょうか。教えてください。

事業承継には、後継者の選定・育成に加え、たくさんの法律的な手続きが必要です。行き当たりばったりにならないように、まずは「いつ譲るのか」「いつ退任するのか」のおおよその期日をしっかりと決めましょう。そこから逆算していけば、おのずとやらなければならないことと、その順番が見えてくるはずです。


中小企業経営者の実情について、自分の推測と調査結果が正反対でびっくりしました。
今後、日本の政治・経済・社会政策等はヨーロッパ型を目指すべきではないかと思いました。

長年、こうした研究に携わっている私でも驚きの事実がありました。調査結果を踏まえると、「ヨーロッパ型を目指すべき」というご意見は、まさにその通りだと思います。大企業中心のアメリカではなく、長い歴史のある地域社会と深く結びついた中小企業を中心としたヨーロッパをお手本とすべきではないでしょうか。
そうした意味でも、日本とフランスで比較調査を行ったことは、大変意義深いものだったといえるでしょう。



AMAROK電話調査のご協力者・読者の皆さまの調査開始時から、“その後”の変化について

中小企業経営者の自身の健康への関心を高めるために活動を続けてきたAMAROK JAPAN。
調査や連載記事を通して、どのような変化があったのでしょうか。
8月号のアンケートで伺った、「現在の健康状態」などについて、回答の集計結果をご紹介します。


ストレスに変化はありましたか?


睡眠について変化はありましたか?


仕事量は変化しましたか?


現在の健康状態はいかがですか?



 調査協力や連載記事の影響か、ストレスや仕事量について見直した方が半数以上も見られました。さらに、現在の健康状態については「あまりよくない」「悪い」といった回答が1 割程度にとどまっています。これらは自己申告の回答ではありますが、AMAROK JAPANの活動が、中小企業経営者の健康を改善するきっかけとなったのなら喜ばしいことです。
 以前に「中小企業経営者の睡眠時間は国民平均よりも短い」と紹介しましたが、「よく眠れるようになった」と回答した人がいるものの、全体的には大きな改善がみられませんでした。睡眠の時間や質は仕事量やストレスとも関係しているので、今後も働き方を意識的に改善し、継続していくことで、よりよい結果につながっていく可能性があります。


フランスの協力者にはこのような変化がありました(2016 年)

 「調査協力者の80%が『この調査に満足している』と答え、30%が『自分自身の健康状態がよくなった』と答えています。毎回電話で質問に答えるうちに、自分の健康への関心が高まり、タバコをやめたり、運動を始めたりといったことに取り組むことで、健康状態が改善したというのです」

(『あんしんLife』2016 年8 月号、AMAROK 本部研究員フロランス・ギリアニ氏のインタビューより)